2021/12/01

ある女子生徒からの言葉

2学期期末テストの真っただ中である。テスト終了後早々に帰宅する生徒、居残りをして先生に質問する生徒、図書館で頑張る生徒。それぞれのスタイルでテストの準備を進めている。下校する生徒の時間を見計らって、私も生徒の送り出しに立っている。

そんな折、先日ある高校2年生の女子生徒が私のところへやってきた。この生徒はいつも、どの先生にも快活に挨拶してくれる素直な女子高生。まっすぐに育っている姿を、いつも嬉しく感じているひとりである。

「校長先生、先日は研修旅行を開催して下さって、ありがとうございました。おかげさまで、とても楽しい、いい思い出になりました。校長先生にひと言、お礼を申し上げたいと思っていました。本当にありがとうございました。」と、丁寧に話してくれる。

私が「こちらこそ、楽しんでくれて嬉しいです」と声を掛けると、ペコリと頭を下げて、大急ぎで階段を駆け下りて行ってしまった。少し気恥ずかしかったのかもしれない。気のせいか、彼女の目が少し潤んでいたように見えた。

彼女の後姿を見つめながら、雨に降り込められた研修旅行だったけれど、子どもたちにはかけがえのない想い出になったんだな。やってよかった、イヤ絶対にやらねばならなかった。改めてそう感じた次第である。何とかテストを頑張って、文化祭でもうひと花を咲かせてほしい。