2021/09/15

長田弘氏の文章を読んだ

先日あるクラスの授業代行を行った。自習ではもったいない。少し出しゃばったのだが、長田弘氏の文章を読むことにした。大人と子どもを比較しながらの主張。豊富な人生経験を積んだ大人たちは、真新しい、これまで経験したことがないように、特別な一回性としての価値を見出す。

それに対して、子どもたちはというと、同じことの繰り返しの中にも「楽しみ」や「喜び」を見いだす。そして、長田氏は「何」を生きるかではなく、「どのように」生きるのかという視点に立って人生を見つめ直したとき、一見単純に感じる繰り返しの中にも、ちょっとした発見や学びがその都度あることに気づく。それが大事だと結論付けている。
 
確かに幼い子供を見ていて、よくもこんなに同じことをずっと続けていて飽きないものだなと感じることがある。毎日同じようなくり返しのように見えても、その都度いろいろなことを子どもたちは感じているのだろう。大人たちは、いつからそういった瑞々しい感性を雲らせてしまったのだろう。
 
学校は受験のための技術や知識を習得するだけではなく、そこは生活そのもの。子どもも我々大人もここで生きさせてもらっている。大人である我々が、既に経験したことを惰性的に捉えるのではなく、子どもにとっての初めての経験に、いかに瑞々しく寄り添えられるか。改めてそんなことを感じさせてくれる文章だった。