2024.08.29

【校長通信】大阪公立大学 数学研究所訪問

昨日の午後、高校1年生・2年生および中学3年生の生徒14名を連れて、大阪公立大学数学研究所を訪問しました。

今回が第1回目となり、理系・文系を問わず、生徒たちはそれぞれの数学力に応じて、大学の先生方と様々な話をし、ヒントを得ながら今後取り組む「テーマ」を決めました。個別に取り組む生徒もいれば、2~4名のグループで取り組む生徒もいます。

まず、生徒たちは一人ずつ前に出て自己紹介を行いました。数学の好きな分野や苦手な分野など数学に対する思いを語ると、5名の大学の先生方から質問をしていただきました。例えば、ある生徒が魔法陣に興味があると話すと、つい先日出版された魔法陣に関する書籍を見せていただきました。また、大阪公立大学数学研究所と名古屋大学多元数理科学研究科が共催している日本数学コンクール(※)に長年携わっておられる先生からは、今年の問題に「逆数独」が出題されているので挑戦してみてはどうかという提案をいただくなど、生徒たちは非常に多くの刺激を受けました。高1の生徒の中には、「一人では自信がないけれど、仲間がいるからチャレンジできる」と話す者もおり、まだ高校数学で学んだ範囲が限られている中、協力しながら一つの問題にじっくりと時間をかけてチャレンジしてほしいと思います。

また、数学の問題を考える際に「どうすれば“ひらめき”を得られるのか?」や「“ひらめき”は才能なのか、それとも鍛えることができるのか?」といった質問に対して、先生方は「ひらめきは経験を通して鍛えることができる」と回答してくださいました。しかし、「大学で学ぶ数学では、これまでのような瞬時のひらめきが必ずしも求められるわけではなく、着実に力をつけていくことの方が重要になる」とのお話もあり、数学といえば”ひらめき”が重要と考えていた生徒たちは、高校数学との違いに驚いている様子でした。

2時間の予定でしたが、気がつけば2時間半以上が経過していました。大学の先生方にはご迷惑をおかけしましたが、生徒たち一人ひとりの輝いた目を見て、この企画を実施して本当に良かったと実感しました。

これから、生徒たちは設定したテーマの解決に向けて取り組んでいきます。発表の段階まで進める予定ですので、保護者の方々にもぜひご覧いただきたいと考えています。楽しみにしておいてください。

今回、大学との連携を通じて得られる貴重な体験を本校の生徒たちに提供したいという思いから、今年の4月より数学研究所の所長である田丸博士先生とやり取りを重ねながら、準備を進めてまいりました。この場をお借りして、心よりお礼申し上げます。ありがとうございました。そして、今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。

 

※日本数学コンクールは、数学オリンピックとは異なり、決められた時間内で何問解けるかを競うのでなく、正解が用意されていない問題や、特別な道具を使わずに身近な現象をどのように数学の問題として捉えるかを問うものもあります。2カ月という考える期間が設けられており、小学生から高校生までの子供たちが、数学者が行っている「研究」と同じような体験ができる貴重なコンクールです。