2025.03.25

【校長通信】大阪大学 山田先生による特別授業「大学で教える物理」

3月24日、本校の卒業生であり、大阪大学の特任教授を務める山田憲嗣先生をお招きし、新高校3年生の希望者を対象に物理学の講義をしていただきました。

山田先生は、高校3年生のときに一時的に視力を失った経験から医師を志すことを断念されましたが、大学では理学部で物理を学び、大学院では工学部に進学。その後、工学博士課程を修了し、医学と工学の連携研究に携わり、現在は情報科学研究科で活躍されています。

講義が始まると、現在、大学で力を入れている研究分野の紹介に加え、それらの研究に対する国の投資の現状、さらには海外との競争における課題についてもお話しいただきました。さらに、身近な例として、生徒たちが日常的に使うスマートフォンを回転させると画面も自動的に回転する仕組みについて解説してくださいました。これは、スマートフォン内部に組み込まれた加速度センサーがバネと運動方程式を用いて加速度を求めているためであり、高校物理の知識がその技術に応用されていることを示す具体例として紹介されました。

大学レベルの内容も交えながら、高校生にも理解しやすいよう力学を中心にわかりやすく説明していただきました。90分の講義は本当にあっという間で、高校物理が単なる受験科目ではなく、日常の身近な現象や最先端技術に応用される重要な学問であることを実感する機会となりました。その基礎を学ぶ大切さや、学問が広がっていく楽しさを知る貴重な時間になったのではないでしょうか。
新高校3年生のみなさん。勉強は決して苦しいものではありません。入試本番が近づくにつれ、焦りや不安を感じることもあるかもしれませんが、本来の「知ることの楽しさ」を忘れず、自分の夢に向かって一歩ずつ前進していきましょう!