2021/07/03

ことばの贈り物 2021/07/03

先日、「進路の手引き」の巻頭言に以下のような文章を掲載したのでご紹介したい。長文なので2日にわたっての掲載である。
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VUCAの時代と言われて久しい。ビジネス環境や市場、組織、個人などあらゆるものを取り巻く環境が変化し、将来の予測が困難になっている状況を意味する造語。「Volatility:変動性」「Uncertainty:不確実性」「Complexity:複雑性」「Ambiguity:曖昧性」という、4つの単語の頭文字をとっている。
 
2020年から続く世界的コロナの蔓延、2011年に起こった東日本大震災、2001年のNY同時多発テロ、1993年に体験した阪神淡路大震災などなど。想定外の大惨事がほぼ10年刻みで起こっている。そしてその都度、人々はその容赦のない現実に立ち向かうことが強いられた。困難の前で立ち止まっていても、何も解決しない。我々ひとりひとりに想定外の現象を投げかける時代。VUCAの時代とは、そんな混迷の時代を総称する言葉である。
 
さて、皆さんが挑もうとしているこれからの未来も、こうした世の中の大変革とは無縁ではない。1960年代から続いた高度成長によって、わが国はダイナミックな経済成長を実現してきた。その恩恵にあずかる形で、国民の暮らしも豊かになった。やがて、経済的恩恵が全国民に行き届いた頃合いを見計らったかのように、バブル経済が崩壊し、情報技術革新の中、経済格差が生まれ、貧困問題が顕在化してきた。

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本日はここまで。明日は後半戦をお送りしたい。