2024/02/17

ことばの贈り物 アーカイブス 1

本日は、高校2年生の難関大学受験者対象説明会と新高校1年生の専願合格者の説明会を開催。この後、来週には学年末テストを実施。いよいよ新学年に向けた準備に入る。さて、私もここまで多くの記事を「ことばの贈り物」でお届けした。しばらくの間、「ことばの贈り物アーカイブス」をお送りしたい。膨大な内容から、自薦で記事をお届けしたい。

『ことばの贈り物』第1回をお送りしたい。2018年6月26日の初回である。
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初めまして。本校校長の江口宗茂です。本日より校長通信を始めることにしました。学校内での生徒の様子を中心に、その日その日に感じたことや学校での出来事を、出来るだけ分かりやすく、保護者の皆様や本校に関心をお持ちの方にお伝えしようと思います。どうかよろしくお願いいたします。

さて本日は、25日月曜日の中学全校集会で、生徒約500名あまりを前に、体育館で話した10分程度の訓話を、実況中継風に掲載します。

「皆さん、おはようございます。」
「おはようございます。」
「あれ?声が小さくて元気がないねえ~。もう一度やり直し!おはようございます!」
「おはようございます。」
「はい、それくらいの元気を出そうね。さて、本日先生は皆さんに3つのことをお話ししようと思います。よく聞いておいてくださいね。」

「まずその前に、学校の役割は何だろうという先生なりの考え方をお話しします。先生は、学校っていうのは『社会に出るための訓練の場』だと思っています。皆さんにとって「社会」ってどんなものか、まだよく分からないですよね。でもあと10年もすれば、みんなも世の中に出て、社会の発展のために仕事をすることになるわけです。今皆さんは学校で学ぶことが中心の立場だけれど、社会に出ると、誰かのために、何かを提供する立場になるわけです。誰か人様のお役に立つためにその多くの時間を費やすことになるのです。それが社会に出るってことの意味。分かるかな?」

「で、『訓練の場』って今先生は言ったけれど、『訓練』っていうことを少しイメージしてほしい。『訓練』っていう言葉もそうだけれど、『訓練』という行為は、結構みんなの重力に反するような動きがある感じがしない?例えば、腕立て伏せだったり、腹筋の訓練だったりというものをイメージしてくれても、それが重力に反する動きになっているよね。『訓練』っていうのは、往々にして重力に反する、少し自分に負荷のかかる行いになる。『しんどいこと』といった方が分かりやすいかな?だけどこの『しんどいこと』をしっかりしておかないと、ゆくゆく社会に出て苦労するのはキミたち。だから、先生方は、体力や年齢に合わせて少しずつ皆さんに負荷をかけているわけです。ここまでいい?」

「で、先生が本日、学校という『社会に出る訓練の場』としてみんなに確認したいことが3つあるわけです。まずその一つ目は、『挨拶』を意識してするということ。これは、社会に出る訓練の、基本中の基本だからね。」

「先生は、朝、通用門で出来るだけ時間のある限りみんなの出迎えに立とうと思っている。それはキミたちに『挨拶』したいから。朝の『挨拶』を投げかけたいと思っているから。」

「もちろん、元気よく挨拶をしてくれる人もいるけど、中には全く挨拶などせず、素通り、なんて生徒も見かける。『挨拶」は決して強要されるものではないけれど、気を付けておきたいことは『挨拶』をしないということには、それなりのメッセージが含まれているということ。つまり、『挨拶』をしないということは、あなたとの関係性を築きませんというメッセージがそこには含まれているというのが、社会の常識なんだ。』

「中には今「反抗期」で、大人の言うことは聞きたくないっていう人もいるかもしれない。また、なんとなく挨拶は気恥ずかしいって感じている人もいるかもしれない。でも『挨拶』を交わすのか交わさないのかということには、意味があるということに気付いてほしい。そして、みんなは泉ヶ丘に通っている仲間なんだから、挨拶をするということは、決して恥ずかしいことでもなんでもない。『挨拶』しない、出来ないということにもメッセージがある。先生や友達といった身近な人と挨拶を交わす。その訓練をしましょう。まず伝えたい一点目は『挨拶』についてです。」(2018・06・26)