2024/03/05

ことばの贈り物 アーカイブス 18

昨日の続き。2019年2学期の始業式訓話。集団行動が中心となる2学期の行事を意識しての訓話である。

(ジョン・F・ケネディが大統領の演説で言った「あなたの国があなたのために何ができるかを問うのではなく、あなたがあなたの国のために何ができるのかを問うてほしい」という重要な考え方を、子どもたちにわかりやすく伝えようとしたのだが。)

さて、そんな「やってもらう」ことが当たり前と考えている人が、10人集まるとどうなるでしょうか?そんな10人で何かをしようとしても、まとまるはずないじゃないですか。やってもらえることを期待する10人が集まっても、まったく前には進みませんよね。じっとして、互いの顔を見合わせているばかりではないでしょうか。

では、チームを前に進めるためには何が必要なのでしょうか。しっかり目標を定め、みんなでリーダーの考え方に耳を傾けることがまずは大切です。また、リーダーはみんなの意見をよく聞くことも必要です。

リーダー以外の人は、しっかりリーダーを支えなければなりません。リーダーを含め、全員がチームのために汗をかくというチームプレイに徹し、目標に向けてひとつにまとまることです。2学期の多くの行事では、こうしたチーム内で「自分は何ができるのか」「自分はどういった形でチームに参画するのか」といったことを学ぶ絶好の機会となります。

実は、そういったチームプレイの経験が、あと10年もすれば、皆さんの社会活動の中で求められることになるのです。社会生活はそのほとんどが、チームプレイです。何人かのチームで仕事をすることが基本です。

その際、必要なことは、自分が「何をしてもらえるか」という発想ではなくて、自分はこのチームで「何ができるか」「何をしなければならないのか」といった考え方と行動力です。その役割をしっかり果たすことです。どうか、2学期の学びの場となるチームプレイを通じて、日ごろの授業とは違った、しかしながら、授業と同じくらい大切な学びを経験してほしいと願います。

もう一度繰り返します。自分が「何かをしてもらえる」という考え方を捨ててください。自分がチームのために、目標に向けて「何ができるのか」「何をしなければならないのか」。それをしっかり考えて、これらの行事に臨んでほしいと思います。(2019・08・26)