2023/05/16

1982年のころ 1

電車に乗っていると、リクルートスーツに身を固めた学生に出くわす。黒か紺色のスーツにトートバッグ。女子学生の多くが黒髪を後ろで束ね、男子学生はいわゆるリクルートカット。髭もなく清潔感がにじみ出ている。ツーブロックや茶髪は皆無。
 
彼らの多くはおそらく大学3回生。エントリーシートの提出、説明会、面接というプロセスを踏んで、社会人としての第一歩を踏み出したところ。学歴フィルターもあるだろうし、青田刈りも罷り通る仁義なき世界。彼らにどんな未来が待っているのだろうか。「がんばれよ!」と心の中で呟いている自分がいた。
 
話は40年ほど昔にさかのぼる。時計の針は1982年。ここから数年後に、日本は空前のバブル経済を迎える。この時代の就職協定解禁日は4回生の10月1日であった。
 
ここから一斉に、企業が学生と面談して内定を出していく。4回生にとって10月1日が「就職活動解禁日」として重要だと聞いていた。だが、現実はそんなものではなかった。
 
 
本日はここまで。続きはまた明日。