2023/03/03

映画「生きる 大川小学校 津波裁判を闘った人たち」を観ました

本日もお付き合い願いたい。
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正直、2時間の映画を観ても、あの51分間に何があって、どうして子どもたちが命を落とさねばならなかったのか。そのことはほとんど見えてこない。だが、その後の3人のお話を聞く中で、真相が私なりに見えてきたような気がする。

まず、津波からの避難喚起のアナウンスが流れていても、津波がここまで押し寄せて来るはずがないという思い込みと油断。結果として山に逃げれば助かったのだが、余震が続く中、山が崩れるかもしれないといった躊躇。傍に待機していたスクールバスの利用という冷静な判断の欠如。

さらに、高台を目指そうとしてようやく行動を起こしたことが、結果的に河川津波に近づく行動となった行動の鈍さ。そして、何よりも津波に巻き込まれた10人の教員の中に、リーダーシップを発揮できる人材が欠落していたこと、ではなかったか。

以下、最後に3名の皆さんのコメントをメモしたので、お届けしたい。
 
・本来信頼すべき社会が今、根本的に崩されている日本社会。政治しかり、教育しかり、治安しかり、福祉しかり……。
 
・この映画を通じて、本来信頼されるべきものが、当たり前のように信頼できる社会であってほしいというメッセージを込めたかった。
 
・社会がしっかりしてさえいれば、失われなくていい命だった。
 
・本来安全であるはずの学校が、子どもの命の最期の場所であってはならない。
 
・教員の人間関係の犠牲に、子どもたちがなってはいけない。
 
・自分たちの想いが、金額でしか提示されないという自己矛盾。
 
・現実を伝えようとすれば、得てしてそれが美談に陥りがちになる。実際の現実は、そんなに綺麗なものではない。

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教育現場に携わる身として、ひとつひとつ身につまされる思いで、過ごした時間であった。もしよろしければ、是非とも本編をご覧願いたい。以上である。