2021/07/15

ことばの贈り物 2021/07/15

来たる7月21日に開催される「ココロの学校2021」。この日は「1学期終業式」を兼ねての開催ということになる。保護者のご来場も大歓迎である。今回ご講演なさる北田雄夫氏は「アドベンチャーランナー」という聞きなれない肩書を持っておられる。
 
数年前には「情熱大陸」にもご出演なさり、氏の考え方、生き方といったものが紹介されていた。また、子どもたちは今、そのような動画を、事前学習の一環として学んでいる。そして、終業式当日の「ココロの学校2021」で、私が子どもたちに伝えたいこと……。
 
それはまっすぐ、ひたむきに生きる人の思いを「想像」してほしいということ。私は「運動に興味がない」あるいは「走ることに意味を感じない」、ぼくは「この講演に意味を見出せない」「大学入試に必要なことなの?」といった立ち位置の人にとって、氏の話を「自分化」することはきっと難しいだろう。
 
文学の世界でも歴史の世界でも、「想像力」がなければ「当事者の気持ち」や「当事者の判断」を理解することは出来まい。古典の名作を学ぶ意義も、異郷の歴史を学ぶ意味も、そこには根底に流れる人間の「普遍的真理」が隠されている。その「鉱脈」を掘り当てるには「想像力」が必要である。
 
そして「鉱脈」は、当たり前のことだが、なかなか見つけにくい。見つけにくいからこそ「鉱脈」なのだ。分かりやすさがもてはやされる時代だからこそ、分かりにくさと向き合い、自分なりに解釈するひと時があってもいいのではないか。
 
もちろん「想像力」だけではなく、「知識」や「経験」も正しい理解を補完するために必要な要素である。しかし、「知識」が乏しく「経験」が未熟であっても、その世界の本質を嗅ぎ分けることは出来るはず。若い子どもたちには、それだけの「感性」が備わっている。
 
一つの事象からその根底に流れる「普遍性」「本質」といったものを、いかにつかみ取るか。「具体」から「抽象」への転換。それが「想像力」であり、若い人たち特有の「感性」のなせる業だと思う。今回の講演会で、一人でも多くの人に「鉱脈」との出会いを期待したい。
 
そんな話をココロの学校2021の前説で話そうと思っている。