2021/05/16

ことばの贈り物 2021/05/16

休日のひと時をいかがお過ごしだろうか。もう少し、本校教育をお話ししたい。
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私の学校教育の夢は、先行き不透明な混迷の時代だからこそ「未知なる未来へ挑戦できる人を育てたい」というものである。「挑戦」には「失敗」や「リスク」が伴う。「冒険」すれば、命を落とす危険が迫る。
 
我が国は、戦後の高度成長経済を受けて、その豊かさを享受し、バブル経済後「失われた20年」が語られて今に至る。今後の人口減少を考えると、高度経済成長の再来は見込めないと考えるのが一般的。
 
そんな中、時同じくして、通信技術革命が起こり、この環境変化が社会全体に大きな影響を及ぼした。経済の安定に一石を投じる形で、今も変革を迫っている。さらにそれに世界的なコロナの蔓延が加わり、ますます先行きに不安と不透明感が漂う。
 
将来の夢を実現するために、「今」を手段として努力するという「インスツルメンタル」な生き方がある一方で、安定社会の中で、「今」を将来のために犠牲にするのではなく、現在を楽しむという「コンサマトリー」な生き方もある。
 
「コンサマトリー」な生き方は、成熟社会のひとつの理想とされているが、果たしてその先に本当の幸せがあるのか。現代社会の混迷は、ますます深くなって行くように思う。
 
試験勉強に打ち込んでいる子どもたちを見ていて、いつも感じることは、無心になって取り組んでいる姿勢は、美しいということ。心が揺さぶられるということ。それは何も勉強に限らず、どんな分野であれ、言えることである。そして、その生き方は正しいと思う。


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「未知なる未来への挑戦」とは、そんな私自身の思いを込めた言葉である。