2020/01/18

ことばの贈り物 2020/01/18

本日は、高校3年生の大学入試センター試験と本校中学入学試験が、ほぼ同時間帯に実施されている。私は、本校で中学の受験生の対応に朝から当たっている。受験生と保護者の皆様の緊張がこちらにも伝わってくる。

さて、1時間目は国語の試験。試験が開始されたころ合いを見計らって、受験生の気持ちになりながら、私も受験生と同じ時間帯に問題を解き始めた。まずは長文の評論から読み進め、語彙関係を眺めながら、最後に小説に取り掛かった。

小説を読み進めながら、ふと気づくと、設問を解くことを全く忘れ、小説の中にどっぷり浸り込んでいる自分がいた。「うっ」とこみ上げる感情を何とか抑えつつ、でも時折抑えきれず目頭が熱くなる。主人公が私の目前に現れる。

家族を思いやる温かい気持ちが、静けさの中にも力強く描かれていた。小6の受験生にも、この作品の主題をしっかりつかんでほしい。他者の気持ちを汲み取る力、他者を思いやるココロこそ、本校が求める生徒像なのだということに改めて気づかされた。素材作品の選定に、本校教員の矜持を垣間見た。