2019/03/18

ことばの贈り物 2019/03/18

本日は先週土曜日開催された中学校修了式で述べた式辞の3日目。ここまでに「義務教育」が定められた意味に関してお話しした。本日はその続き。お付き合い願いたい。

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さらに現代社会においては、だれもが、もっと自分の可能性や夢を広げられる世の中になりました。ますます自由な時代が訪れてきました。ですからここで、あなた自身が、自らの学びの機会や時間といったものを放棄するということは、あなたの自由や可能性を捨ててしまうことにも繋がってしまうもったいないことです。

しかしながら、あなたが夢や可能性を広げる自由の「権利」を持っているということは、同時にあなたのお隣の人の、自由の「権利」も認めなければなりません。するとそこに自然と、「競争」が生まれてくるわけです。

たとえば、椅子の数は10脚しかないのに、そこに座りたいと希望する人が100人いる。すると90人の人は座れないことになる。これが自由を獲得した現代社会の私たちが、自由の代償として直面する資本主義社会の実態です。

皆さんもその資本主義社会の一員ですから、皆さん自身の「自由」が認められた代わりに、他者との「競争」を避けて通ることは出来ません。何も努力せず、うまい具合に楽をして、甘い汁だけを吸って生きられればなあ。そう考える人も、もしかしたらいるかもしれませんが、世の中が自由競争の時代なのですから、普通に考えれば、それが許されるほど甘くはない、そういうズルをする人は置き去りにされてしまうというのは、なんとなくお分かりではないでしょうか?

本日はここまで。明日最終回をお届けする。