2019/03/17

ことばの贈り物 2019/03/17

休日のひと時をいかがお過ごしか。本日は昨日述べた式辞の2回目をお送りしたい。お付き合い願えれば幸いである。

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あなた自身が、どんなに自分が望んでも、どんなに努力しても、その定められた職業の枠から出ることは許されないのが江戸時代の身分制度でした。職業の選択ができないだけでなく、移動することにも制限がありましたし、勝手に人を好きになることだって許されませんでした。全てお上が決めたことに従わざるを得ない。

あなた自身の夢や希望は、一切認められませんでした。ですから、夢なんかを描く必要もなかったし、学校に行く必要もありませんでした。毎日食べるために働く。みんなただただ、毎日働くことだけが、求められていたのです。今の時代とは全く異なる当たり前が、江戸時代には存在していました。

それが今から150年ほど前の明治維新により、海外の進んだ考え方や文化に触れることで、考え方は少しずつ変わりました。誰しも努力すれば身分に関係なく、あなた自身の人生や可能性を切り開くことが出来るようになりました。そこで、今のように15歳までは子どもたちには絶対働かせてはならない。学校で学ばせることを大人たちの「義務」とするということが決められました。

みなさんを、過酷な労働から守ろうとしたのです。そして、一定期間学ぶことが許された皆さんには、学んでいる間に、将来のことを考える「自由」が与えられたのです。

15歳までの義務教育が、あなたにとっての「権利」として与えられたという意味をご理解いただけたでしょうか?

本日はここまで。続きは週明けにお送りしたい。