2018/12/11

ことばの贈り物 2018/12/11

昨日の全校集会でのお話の続きを掲載する。86,400円の意味するところから始めよう。
 
 
「実は、この86,400円というのは、皆さんが一日に与えられる時間。つまり86400秒という時間が皆さんひとりひとりに毎日与えられている『Present』なのです。ここまでいいですか?」
 
「……」
 
「この毎日皆さんに等しく与えられている『Present』をどう使うか。お金だと『もったいない、有効に使わないと』と考えますが、時間だと『もったいない』はおろか、『有効に使おう』とはなかなか思わないですよね。時間の大切さは気づきにくいものなのです。」
 
「……」
 
「では、少し皆さんが毎日受けている授業についてお話ししましょう。もし仮に授業中に少しウトウトしてしまって、たった2分だけ居眠りしてしまったとしましょう。すると、毎日たった2分だけ無駄に過ごしてしまったことが、1週間では12分となり、1か月で授業1回分、1年で12回分、6年間では72回以上です。72回も授業を受けそこなったことになります。一日たった2分のウトウトの積み重ねがそうなってしまうのです。」
 
「……」
 
「では、皆さんに等しく与えられる『Present』を生かすにはどうすればいいのか。そうですよね、「今、この瞬間」を大切に過ごすことこそが、最も大切なことだということがお分かりでしょう。ですから『Present』の意味にはもう一つ『今、現在』という意味があるのだと理解してください。」
 
「……」
 
「皆さんに与えられたかけがえのない『贈り物』を価値あるものに変えるには『今、この瞬間』を大切にするしかないのです、ということを私は言いたいのです。毎日与えられている86400という『贈り物』を全て使い切るために、『今』を大切にする。そのことをもう一度皆さんに申し上げて、私の話は終わりたいと思います。」
 
こうして古田教諭の話は締めくくられた。体育館の誰もが、その話に耳をそばだてて聴いていた。