全国の高校生がチーム対抗で競技数学の得点を競うPILAME杯。泉ヶ丘校からは4人のメンバーが大会へ出場しました。決勝まで勝ち進んだ彼らを代表して、吉田さんと西村さんの二人にお話を伺いました。
―PILAME杯に出場しようと思ったきっかけを教えてください。
吉田
インターネットで偶然PILAME杯を見つけ、チームで協力して競い合うという点に興味をもったことがきっかけです。数学好きの仲間を集めて、参加が決まりました。
西村
仲の良い吉田さんから声をかけられ、「面白そう!」と思い参加しました。昨年の国際数学オリンピックで銀メダルを獲得した同級生と、Online Math Contest(OMC)※に出場経験のある3年生の先輩が加わり、4人のメンバーで大会に挑みました。
※オンラインで開催される競技数学の世界大会
―PILAME杯に向けては、どのような取り組みを行いましたか?
吉田
PILAME杯のサンプル問題や、OMCの過去問題を解いて対策を行いました。また、僕の得意分野である幾何の問題を作成して、メンバーに解いてもらっていましたね。良い問題が作れたと思っても、実際に解いてみると簡単過ぎるということがままあります。しかし繰り返し作問することで新たな発見があり、数学の理解をさらに深められました。
西村
吉田さんが幾何分野に強い分、僕は整数分野を強化することに努めました。各メンバーの得意分野を伸ばしつつサポート体制を整えて、バランスの良いチームになったと思います。こうした大会に向けた対策は自分たちで考えて行いました。
―大会に向けて準備を進める中で、苦労した点はありますか?
西村
大会への対策と、学校の授業の予習・復習の両立に苦労しました。意外に思われるかもしれませんが、大会での数学と授業の数学は別物です。大会の問題は今自分がもっている知識を総動員して解くのですが、授業では新しい情報を学ぶため、異なる難しさがありました。
吉田
練習では、解き慣れていない分野の問題の正解率が低くなってしまい、落ち込んでしまうこともありました。真剣に取り組むほど結果を求めてしまい、バランスが難しいです。
―PILAME杯に出場してみて、どうでしたか?
西村
対策はしていたものの、いざ大会で問題を見ると難しい問題ばかりで苦戦しました。時間配分も難しく、解けそうだった問題の解答を間違えてしまい悔しさがこみ上げました。しかしチームで協力して得点を取るという新たな体験を通して、数学の楽しさを一層実感できたと思います。
吉田
予選で難易度の高い一問を単独で解けたときは、達成感がありました。難しい問題も、得意とするメンバーが主要部分を解き、他のメンバーが計算や検算を担当するという連携プレーで解き進めました。戦略的に取り組んだ結果、決勝に進むことができてうれしかったですね。
西村
決勝までの道中は、数学の話をして東京へと向かいました。会場では同じ数学好きの高校生がたくさんいてにぎやかな雰囲気でしたが、大会が始まってからはどのチームも白熱しながら解き進めており、とても刺激になりました。結果は、残念ながら入賞には至らず、目標としていた7位以内には入れませんでした。次の機会に良い成績を残せるよう、これからも数学の勉強に取り組んでいきたいと思います。
吉田
決勝は問題の質がさらに高かったです。担当した問題で計算間違いをしてしまって、己の力不足を痛感。入賞はできませんでしたが、チーム対抗戦においてメンバー間で役割を分担し、ときにリカバリーをしていくという協力体制を学ぶことができました。今回の経験を糧に、もっと鍛えてリベンジしたいと思っています。
―二人にとって数学はどんな存在ですか。
吉田
今でこそ仲間と数学を楽しんでいますが、実は過去にテストで欠点を取ってしまったこともあるくらい苦手だったんです。中学で幾何学の授業が始まってからはその面白さに気づき、数学の問題を楽しんで解くようになりました。
西村
僕はもともと数学が好きで独学で勉強を進めていました。仲間と出会えたおかげで、より楽しむことができていると思います。今回の大会での経験はもちろん、日常的に分からない部分を教えてもらったり、疑問点を話し合ったりする中で、数学の世界がさらに広がりました。
―最後に、今後の目標を教えてください。
吉田
法学部への進学を目標としているため、高校2年から文系のクラスで学習しています。将来数学との関わりは少なくなると思いますが、高校に在学している間はPILAME杯や数学オリンピックなどの大会に積極的に挑戦し、数学の楽しさに触れていきたいと思っています。
西村
僕は理系に進み、大学でも数学を学びたいと思っています。楽しみながら勉強を続け、今度は自分が周りの人に数学の魅力を広められる存在になりたいです。
PROFILE
吉田 健人(高校2年 6年コース生)
西村 燎祐(高校2年 6年コース生)